寒い季節はヒートショックにご注意

ヒートショックってなに？

ヒートショックとは急激な温度の変化による肉体的ショック症状のことです。
ヒートショックによる心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中・不整脈リスクは高く、さらに失神などが原因で滑って頭を打つなどの二次災害や、突然死を引き起こすことにも繋がります。

ヒートショックが起きる理由

そもそも血圧は、温度が低くなり血管が収縮すると上がり、反対に暑くなると血管が広がるため下がります。
だいたい10度以上の温度差があると危険と言われています。
特に冬場は空調の効いた暖かい部屋から、脱衣所やお手洗いなど、室内の寒い場所に移動することが多く、体内で急な血圧の変化が起こりやすくなっています。
また、入浴に際しても暖かい部屋から冷たく冷え切った浴室での熱いシャワーが血圧の急激な変化を引き起こし、知らず知らずのうちに心臓に大きな負担をかけてしまうのです。

入浴中の事故で亡くなる人の数は年間約2万人と言われています。
外気温と湯温の差が激しくなる12月～2月は特にリスクが高くなるといわれており、特に高齢者は生理的機能の低下のほか、高血圧や糖尿病、動脈硬化の進行があるため注意が必要です。
また、日頃元気な人でも油断は禁物です。
若い人でも血圧が高めなどの生活習慣病の予備軍の方は十分気を付けましょう。

さらに、肉体の問題だけではなくヒートショックは住まいの問題から発生する場合もあります。
タイル張りで窓のある浴室は熱が逃げやすく寒くなりがちです。
また、築年数の長い家は隙間風が吹いたり壁にも断熱材が入っていないなど、身体が冷えやすく入浴の際の温度差が激しくなる傾向があります。

今日から出来るヒートショック対策

ヒートショックを防ぐポイントを６つにまとめてみました。

1. あらかじめ脱衣所や浴室は暖房器具等で暖めておく

脱衣場にファンヒーター等の暖房器具を設置しておくと、急激な寒暖差の解消に有効で血圧が異変をきたすリスクが下がります。
また、溜まったお風呂の蓋を入浴前にしばらく開けておくのも良いでしょう。

2. 熱いお湯に長湯しない

室内や脱衣所とお風呂の温度差が10℃以上開くとヒートショックのリスクが高まるため、湯温は41℃以下に設定しましょう。
熱いお湯に長湯していると、のぼせてぼーっとなってしまう危険性があります。
特に高齢者の場合、お湯の温度は41度以下にして早めに切り上げるようにしましょう。

3. 浴槽から出る時はゆっくりと

入浴中は身体に水圧がかかっています。
そのため、急に立ち上がると圧迫されていた血管が一気に拡張し、脳に行く血液が減ってしまい貧血状態を起こし、一過性の意識障害を起こすことがあります。

4. 食後すぐの入浴は避ける

高齢者に多い症状で、食後に血圧が下がりすぎる食後低血圧というものがあります。
ひどい場合は失神する恐れがあるので、食後はしばらく休んでから入浴しましょう。
夕食前に入浴するのもヒートショック対策には効果的です。

5. 深夜や早朝の入浴は避ける

深夜や早朝は1日の中でも特に気温が下がりやすい時間帯です。
また、家族が寝静まっている時だと、緊急の際に発見が遅れる可能性が高いため、同居している家族がるいる方は、一声かけてから入浴するようにしましょう。

6.高齢者には一番風呂をすすめない

一番風呂は浴室が冷え切っていて、お湯も入れたてで熱い状態です。
二番風呂以降なら浴室は温まっていますし、良い湯加減になっているのでおススメです。