「肩こり」(肩凝り、肩コリ)は、首の周辺から上背部・肩にかけての筋肉が緊張し、不快感、違和感、痛みなどを感じる症状のことです。
症状であって病気ではないということが特徴で、病気なら原因があり、それに対して薬を飲めば改善されますが、肩こりは遺伝や体質など一部の原因を除き、そういう訳にはいきません。
肩の筋肉が緊張して血行が悪くなり、乳酸(にゅうさん)などの疲労物質が溜まったり、ビタミンの補給がうまくいかなくなったりするとも言われていますが、様々な要素が複合的な原因のもとに引き起こしているのが肩こりなのです。
ひどい肩こりの原因は「筋肉・骨格性」「神経性」「心因性」の3つがあげられます。
筋肉・骨格性の肩こりの場合は、長年の積み重ねで神経が肩こりを記憶しているため、天候不順やちょっとした姿勢の悪さで肩こりを感じるように神経が敏感になっているのが特徴です。
長時間のデスクワークなど、同じ姿勢で固まってることが多いとなりやすいです。
また、神経性肩こりは片頭痛を伴うことが多く、肩こりが起こってから対処するのではなく、自分の状況に適した生活習慣を確立することで、肩こりを起こしにくい体質に改善することが大切です。
最近増加傾向にあるのが心因性の肩こり、別名「ストレス性肩こり」です。
親の介護や職場の人間関係などストレスの原因を認識していても、取り除くのは難しいのが現実です。
厚生労働省の調査によると、男性は約6%、女性は約12%の人が肩こりの症状を訴えています。
女性の割合が多いのは、筋肉量が少なく負担がかかりやすいのと、やはり子育てや家事で、肩や肩甲骨周りに負担がかかることが多いからと思われます。
現代社会は肩こりの原因となる状況が満ち溢れています。
悪化しないためにも、早めに受診を心掛けましょう。
肩こりになりにくい基本姿勢は、背筋を伸ばし軽くあごを引いて胸をはった姿勢です。
しかし、同じ姿勢を続けていると筋肉の緊張を高めてしまうため、適度に姿勢を変えることが大切です。
デスクワークに従事している人は、パソコンなど机の上の作業は腕の重みを支えるため、肩の筋肉が緊張しがちです。
適当な高さの肘掛を使ったり、手首をキーボードの手前に置いた状態でパソコンを打つ、といった少し工夫するだけで、頸や肩の筋肉の負担が軽減するのでやってみてください。
また、視力の悪い人はパソコンの画面や書類に顔を近づけがちになります。
こういった姿勢は猫背が強くなり、あごが上がって首の後ろが疲労しがちです。
パソコンの画面表示の調整、適切な椅子やモニターの位置など、職場環境の工夫が必要です。
普段から意識的に肩を動かし、肩周囲の筋肉に収縮・弛緩を繰り返させることを心がけましょう。
肩周りが動くような運動・スポーツを習慣づけましょう。
ジョギングも腕を振りますので、肩こりの予防になります。
また、ラジオ体操も全身の筋肉をバランスよく使う運動となりますので、オススメです。
特に腕の力が弱い女性は、肩をすくめるように持つことが、癖になっていることが多いようです。
また、カバンを同じ側の肩にかけていると、どうしても姿勢が歪んできます。
その他、車の運転中や読書中、テレビを見ているときなど、知らず知らずのうちに歯をかみしめていることがあります。
これも首筋の筋肉を緊張させ、それが習慣化することで肩こりに繋がるので注意しましょう。
家事や仕事中に肩こりに悩まされたときは、そのまま我慢して続けても効率が悪いだけでなく、さらに不快感が強まります。
肩を動かすことが肩こり予防に繋がるといっても、職場では周囲の目もあります。
そんな時すぐにできる肩こり対策は、肋骨を動きやすくする深呼吸が最も適しています。
そうすることで、胸や肩甲骨周囲の筋肉もほぐれてきます。
肩の筋肉をもんだりせずに肩こりの症状を軽減できるのでおススメです。
また、心因性の肩こりの場合は、ストレスの原因はわかっていても解消しにくいものです。
自分自身の考え方やクセ、思考パターンなどを地道に変えていくしかありません。
いずれにしてもひどい肩こりを治す方法は、まずは自分の原因を知ったうえで的確な治療を受けることが大切です。
例えば自分で肩こりを治すストレッチ方法は、筋肉骨格性肩こりには効果的ですが、神経性や心因性の場合は効果が不十分です。
枕を変えればOK、運動すれば治るといった単純なものではありません。
まずは、いろいろな対策を組み合わせ取り入れることで、自分にあった方法を地道に探していくことが大切です。
それでも肩こりの症状が長期間続いたり、我慢できないような痛みを伴う場合は、病気が原因の場合があります。
頚椎症、頚椎捻挫、脊椎・脊髄腫瘍、胸郭出口症候群、変形性肩関節症など、様々な病気が関わっている可能性がありますので、お気軽に当院までご来院ください。
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